看護実習が始まるにあたり、SNSの投稿や、先輩たちの噂、周りの学生の緊張や不安が伝染していき、不安になっている学生さんも多いのではないでしょうか。
指導者はそんなに怖いの?
子どもの保育園の登園時間より早く出なければならない時は?
実習記録で眠れないって本当?
といった疑問に、准看護過程全ての実習が終わろうとしている現在の私がお答えします。
これから実習に行かれる皆さんには、変な噂や周りの雰囲気に流されないで、
記録や評価や指導者さんの顔色を伺うのではなく、患者さんの為=自分自身の為になる実習にしてほしくてこの記事を書きました。
※准看護科は、正看護科の実習よりも易しいかもしれませんが、少しでもイメージを持って頂ければ幸いです。
目次
病棟実習について
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大まかなタイムスケジュール
~8:30/ 更衣して集合し、計画を教員に確認してもらう。
9:00/ 病棟に上がる
順次
- 指導者に計画と目標を発表
- オムツ交換、陰部洗浄、清拭、シーツ交換など朝一番の援助に回ります。
- バイタルサイン測定→報告
- パソコンが空き次第、順番に受け持ち患者さんの情報収集をカルテから行い、夜間の変動などをチェック
- 急性期でなければ入浴もあります
- リハビリなどの見学
- 異変なければ、清潔の援助(手浴、足浴、洗髪)や、散歩など、患者個別に合わせた援助を行う
12:00/ 食事準備、食事介助、食前・後の口腔ケア
休憩 1時間(振り返りでの発言をまとめたり、調べもの、記録)
13:30~/
- 午前気になった項目のバイタルサイン測定
- オムツ交換(パットのみ)、トイレ誘導
- 午前に準じて個別的な援助(急性期なら清潔や観察、早期離床の援助、回復期になれば、ちょっとしたレクリエーションも計画したりします。)
15:00/指導者、教員と病棟で振り返り、明日の計画確認
15:30/控室に戻っての振り返り
16:00/実習終了
こんな感じです。
技術面の心配
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看護学生の多くは、看護助手として働いている方も多いので、そんなに不安を感じていないかもしれませんが、あだ子は、全くの未経験者でしたので、オムツ交換からとても悩みました。
看護助手経験者さんでも、看護目線となると、また違うそうです。
特に、清潔と不潔を左右の手で使い分けることを考えながらしているうちに、頭がごっちゃになったし、看護師さんによっても違いがあり、更に悩みました。
いくら学校でオムツ交換の練習をしてきたとはいえ、一人ひとりの体型も違ったり、多量の便があればどこからどうしようか…と軽くパニックになったりも。
こればかりは、学校の実習室で、小麦粉の特性うんちで練習したり、とにかく練習練習!
技術面は反復練習していくしかないです。
↓子どもに協力してもらい、実習の前日はマヨネーズの容器で練習しました。(笑)
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指導者さんって厳しいの?
![](https://singlemother-adakonobrog.com/wp-content/uploads/2021/11/実習怖い.png)
看護実習では、指導者に洗礼を受けるとか、コテンパンにやっつけられるイメージがありませんでしたか?(笑)
私も、SNSの投稿や、噂話、先輩の話に尾ひれはひれが付いて、ものすごい想像で緊張しておりました。
実際、いろんな指導者さんおられます。
しかし、当たり前ですが、指導者も一人の女性であり、人間です。
そこまでビビり倒す必要はないと思います(笑)
ただ何も言わず優しく見てくれる方もいましたが、できていないところを的確に指摘して頂くほうが、自分の成長が感じられて有難かったです。
人に指摘をするのは、結構労力がいる事だと思うので、忙しい中でも、見てくれているんだと前向きに捉えましょう。
勿論、基本の手順はクリアしていて、受け持ち患者さんの疾患の事前学習はしていて当たり前とみなされますが…。
患者さんを大切にしているからこそ、厳しい面もあるのは当然ですよね。
それよりも失敗を恐れて、受け身の実習になると、せっかくの学びの機会が勿体ないです。
私の受け持ち患者さんだから・・・
![](https://singlemother-adakonobrog.com/wp-content/uploads/2021/11/実習.png)
最初は、忙しそうだから頻繁に援助の見守りをお願いするのは悪いかな…など余計な気を使ってしまいましたが、それでは行く意味がありませんし、「病院側が承諾してくださっているんだから!」と自分を奮い立たせました。
指導者の都合(無理と言われたら仕方ないですが)、自分がどう思われるかは、途中からは考えなくなりました。
患者さんにしてあげたいこと、必要なことであれば、実施する数少ないチャンスだと思って、どんどんチャレンジしていきましょう。
むしろ、いろいろな看護師さんや指導者さんのやり方を知るチャンスでもあります。
部屋持ち担当の看護師さんに遠慮してしまうこともありますが、「私が今日1日、受け持つんだ!」という気持ちで臨むのが正解のようです。
少々図々しいかな?くらいで丁度良かったです!
しかし所詮は免許のない学生。
失敗も想定内。
何かあれば、教員、指導者がフォローしてくれる(はず)
もし上手くいかない事があったとしても、素直に反省し、次につなげられれば良い実習だと思います。
わからないことは、知ったかぶりせず、素直に勉強不足を認めて、休み時間に調べるなり誠実に学ぶ意欲が伝われば、責められるどころか、逆にいろいろと教えて頂けました。
実習記録、寝れないって本当?
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記録物とはどんなもの?
受け持ち患者さんを紹介された初日は、
- 今日の1号用紙(目標、評価、観察項目など)
- 今日の2号用紙(行動計画、実際の行動、そこから考えられること)
- 明日の1号
- 明日の2号
- ICF(患者の入院までの経緯と経過、ADLできること、できないことなど)
- ビジョンゴール(受け持ち期間内の短期目標。どうなっていってほしいか。)
- 患者さんの疾患についての自己学習
- 精神科の場合、プロセスレコード(患者とのやり取りの振り返り)
翌日からは、①~④のみです。
とにかく細かい基礎
基礎では、誰が見ても実行できるように、事細かに書いていきます。
例えば、「A氏を右側臥位で、」と言いたいところを、「A氏の左肩と臀部を支えながら右側臥位にして、ベッドの右側から支え…」という細かさで、書かされますから、6枚ほど書くこととなり、夜中コース。
しかし、基礎以降は、自分が大切だと思ったところだけを記録していけば良いので、10時~11時には終わらせて眠れるようになりました。
教員によって、記録の書き方も様々ですし、患者目標に関しては、患者の何を重要ポイントとするのかも違います。
最初は、どれが正解なのだろうと悩んでしまいましたが、正解は「先生に合わせて記録方法を変えること」だと学びました。
記録を早く終わらせて寝る方法
実習後のわずかな余力での作業になる為、ペース配分はめちゃくちゃ大事です!
記録物は、准看、正看、学校によると思うので、この順とは限りませんが、要するに、1番重要なことを1番元気なうちにしてしまうということです。
➀今日の記録(2号)→②今日のまとめと評価(1号)→③自己学→④明日の目標(1号)→⑤明日の計画(2号)
➀軽く疾患調べる→②明日の計画(2号)→③明日の目標(1号)→④今日の記録(2号)→⑤今日のまとめと評価(1号)→⑥自己学(余力あればルーズリーフにまとめる)
翌日の計画を優先するメリット
- 今日の振り返りの記録は、後回しでもメモを見ながら書ける。
- 今日の記録をどんなに頑張っても、見てもらうのは後回しになる上、後で修正できる。
- 翌日の計画がちゃんと仕上がっていないと、実習に入れない。
中途半端な計画では、当日の実習が何となくで終わってしまうので、先に今日の患者さんをふまえた計画と目標、バイタルサイン時の観察項目を、まだ頭が起きているうちに済ませます。
実習中に、重要なことや、援助の流れをメモにまとめておくと帰ってからの記録がスムーズです。
ビジョンゴールとは?
患者さんが受け持ち期間内の、短期間にどうなってほしいか、また、その為に自分がどう介入していくかです。
初日にうんうん考えても、翌日コミュニケーションをとったり、援助していくうちに、案外的外れだったりすることが多いです。
なので、とりあえず一番困っていそうなところ、わからなければ、看護計画から引っ張ってとりあえず埋めておく。
後日修正していくものとして、初日は悩まず、とっとと寝るが勝ちです(笑)
自己学習
自己学習で大切なのは、翌日の実習に活かせる知識なので、まずは、原疾患の機序と重要な観察ポイントをメモと頭に入れることが先で、ルーズリーフにまとめるのは、建前上だけです。(教員によるので要確認^^;)
それよりも、睡眠不足で翌日の実習に響かないよう、少しでも寝ましょう。
記録物のまとめ
- 事細かに描写するのは基礎のみ。その後は要領をつかんで所要時間は減っていく。
- 担当教員の特徴をつかんで臨機応変に合わせる。
- 初日の疾患の自己学習は、ある程度で良い。(最終提出時に仕上げるつもりでも間に合う。)
- ビジョンゴールも初日は悩まない。
- 帰宅後は、余力をまず翌日の実習計画に注ぐ。
- 今日の記録は、実習中にある程度まとめておく
- 明日の実習に響かないよう最低限にとどめ、とにかく眠る。
カルテ閲覧、情報収集について
【初日】
- 現疾患と既往や経過、現在の問題
- どこに帰っていくのかなど今後の方向性
- バイタルサイン時の平均の値と、看護師が個別的に観察している項目
- 食欲、便秘下痢など
援助に入るために必要な情報を得る。
昼休憩と、帰宅後に疾患を調べておく。
【翌日以降】
- カルテから夜間帯の異常の有無の確認ができたら、患者さんとのコミュニケーションから優先的に情報を得る。
カルテより患者から情報を得るメリット
- 本人を見た方が現在のADLは確実。
- 記録にはない情報を自分にだけ教えてくれることもある。
- 患者が望んでいることは、話してみないとわからない。
私も最初は、情報収集を看護記録から全て把握しようとしがちでしたが、カルテに載っている情報と現在の患者の状態が違いすぎるという事が多々ありました。
例)カルテ上 → 実際
ADLは殆ど全介助 → 促せば自分でできる。
認知症が酷く、意思疎通不可 → 見当識(場所、日時、名前)が言える。簡単な会話も可。
危険行為があるので床に転落防止マット → 実際は理解力があり、点滴をしているので動かないように気を使っておられる。
実習中は太る?
これは、あるあるらしく、実習用の白衣は大きめを勧められました(笑)
まぁ答えは、人による(笑)…ですね。
夜中に食べながら記録をするからでしょうか。ストレス?
夜食を摂らなければ、大丈夫でしょう(笑)
子どもの送り迎え、家族に頼めない場合どうする?
![](https://singlemother-adakonobrog.com/wp-content/uploads/2021/11/子ども.png)
保育園の場合
朝の出発が、子どもの保育園より早くなる場合は、
- 早朝保育を頼む
- ひとり親の支援員(大阪市なら生活支援員)
- ファミリーサポートの会員さんにあらかじめ頼んでおく
- 民間のシッターサービスも探しておく
帰りが遅くなることは、ほぼありませんでした。
1度だけ、小学校の放課後事業での実習が6時に終わり、帰りが7時になりましたが、それも支援員さんにお迎えを頼んで、家にいてもらうことはできます。
実母に頼めたらベストですが、頼れる人がいなくても、なんとかすることは可能です。
母子ともに頑張りましょう~!
小学生以降
- 学校準備は一人でできるようにしておく。
- 登下校も子ども達でできるように、携帯や鍵を持たせて自立させていったり
- 「実習時は、ママが大変だから頼りにしているね」と言い聞かせ始める。
- レンチンでできるパスタなどのご飯の常備をしておき、何かあったときは子どもたちでできるようにしておく。
まとめ
- 情報は、カルテだけでなく本人からも取る。
- 指導者に余計な気を使ったり、失敗を恐れない。
- 所詮、免許のない学生、フォローしてもらえる。
- 技術面は、スムーズにできなくて当たり前。
- 記録物は工夫して、早く終わらせてしっかり眠る。
- 保育園の送り迎えは、ファミサポや支援サービスに事前登録しておく。
記録に100%の力を注いで、実習中に力を出し切れないのも良くないし、かといって実習の成果を記録に反映できていなければ、評価はされないので、いい塩梅のところを見つけられると、良いですね。
本当に最初は、きついですが、だんだん患者さんに必要な援助が見えだすと、楽しくなってきます。
一緒に頑張りましょう~!